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執筆者の写真上町カウンセリングオフィス

映画「ミリオンダラー・ベイビー」を見ながら尊厳死について考える


夕暮れの山形の風景
夕暮れの山形

「ミリオンダラー・ベイビー」は2004年に公開されたアメリカの映画です。クリント・イーストウッドが監督・製作・主演を務め、第77回アカデミー賞作品賞に輝きました。


物語の中では家族から愛情を受けることがなかった孤独な女性マギー(ヒラリー・スワンク)と不器用さゆえに家族との関係が上手くいかなかった初老の男性トレーナー、フランキー(クリント・イーストウッド)がボクシングを通して交流し葛藤する姿が丹念に描かれています。


この映画はよくあるシンプルな栄光の物語ではありません。マギーはフランキーのもとで連勝を続け、スターダムに駆け上がっていきます。お互いの家族関係に問題を抱えたマギーとフランキーの間には親子のような強い絆が生まれていきますが二人は大きな試練に直面することになります。



「大切な人が自らの死を願う時、自分はどうするのか」



この映画のテーマの一つに「尊厳死の問題」があります。死を願う人に「死んではいけない」というのはたやすいことです。ならば相手を想いその希望をそのまま受け入れるべきなのか、しかし時間とともにその人の気持ちが変わり得ることもあるのではないか。でももし気持ちが変わることがなかったら・・・。映画を見ながら心は揺れ動きました。


尊厳死について考える時、多くの人は「自分なら尊厳死を選びたい」と考えても身近な人が尊厳死を求めた時には賛成することを躊躇うのではないでしょうか。その時両者には違う種類の苦しみがあるのだと思います。


死をめぐる問題は日常の中でどうしても目を背けがちになってしまいますがやがて私たちみんなに訪れる大切な問題です。


すぐに答えが出なくても、心の中に問いを抱え続け、考え続けていくべきことなのかも知れませんね。





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