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  • 執筆者の写真上町カウンセリングオフィス

リストカットと苦しむ心

自傷行為とは意図的に自分を傷つける行為を言います。皮膚を切る、刺す、噛む、やけどをおわせることや薬をたくさん飲むことなども自傷行為に含まれます。


リストカットは自傷行為の中でも代表的なものでリスカと呼ばれることもあります。近年は若い人の間で自傷行為が増えてきていると言われています。本人が自傷行為に悩んでいる場合もありますし、「必要なことだから」と悩んでいないように見える場合もあります。しかしリストカットなど自傷行為がエスカレートしていくと皮膚に瘢痕が残ってしまい「傷跡を消したい」悩む人もいるようです。


このような自分を傷つける行為はなぜ行われるのでしょうか。


リストカットを含む多くの自傷行為はつらい気持ちや心の苦しさを自分で何とかするために行われます。リストカットをしている人たちと話すと「スーッとして楽になる」「血をみると安心する」と言います。痛みを感じるという人も感じないという人もいます。


彼らは自分を傷つけることにより、緊張し張りつめた気持ちを和らげたり、うまくやれない自分に罰を与えることで安心したりするようです。また自傷行為により痛みを抑えるための麻薬に似た成分の脳内物質が分泌されることがわかっています。それによって得られる安堵感も自傷行為を行う理由の一つにあるようです。


自傷行為は多くの場合つらさや苦しさを自分なりに耐えていくために行われます。それ自体は前向きな理由とも言えますが、その人が苦しんでいる原因が自傷行為によって解決することはなく、多くの場合自傷行為はエスカレートしていくことになります。


自傷行為をしなくても過ごせるようになっていくにはその人の心を苦しめている原因にアプローチしていくことが必要なのです。


そのためには1人で問題に取り組まず他の人に相談することをお勧めします。身の回りにいる信頼できる人でもいいですし、専門家に相談することも大切です。どうか1人だけで苦しまず頼れる人を増やしていく道を選んでください。


自傷をしている人のご家族や友人にも心配されている方は多くいらっしゃると思います。自傷行為について打ち明けられた時には本人を責めたり止めるように迫ったりせずこの重大な秘密を打ち明けたことを労っていただけたらと思います。




水辺の風景
水辺の風景

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